倫敦橋からの風景

英国在住の黒執事ファンによるサイト。 英国ならではのコンテンツあります。

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My sweet years 2

ヴィンセバ連載小説(R-18)



My sweet years (2)



ヴィンセントは、また私を連れて外出用のスーツやらコートやら
諸々の品をあつらえてくれました。
「燕尾服を連れて旅はしたくないんだ」
「そうなのですか?」
「いつもではないよ。でも今度行く場所は」

先日ヴィンセントに頼まれて手配した場所は、ごく小さな田舎町で
確かに私のような風貌の燕尾服が行くような所ではなかった。
彼の指定した通りに予約はしたが、いささか疑問点が残る。
でも、彼がそうしろと言うので私は従うまで。

あくる朝、私達はパディントン駅から2時間ばかり先のケンブル駅まで
向かった。一等車のコンパートメントに対面に腰掛け、ヴィンセントは
窓際に肘かけてぼんやりと流れゆく田園風景を眺めていた。
時折、独り言のようにぼそりと私に話しかけるけれど、
いつもと違って寡黙だった。

ケンブル駅に着いて、そこから馬車に乗ってサインレンセスター方面へ
また1時間以上かけて目的地へ向かった。馬車の中で午前のお茶の
時間を迎えたので私はオレンジを切って、ヴィンセントに差し出した。
彼はそれを見て黙って口を開けるので、私は一房取って、彼の口へ入れて
食べさせた。どうしたのでしょうか?甘えているとも思えませんが。
結局、オレンジ全部を私はひとつひとつ彼の口に運んであげました。
食べ終えた後、彼にナプキンを渡そうとすると、隣に座れと言うので
私は席を移った。

ナプキンを手渡そうにも受け取らないので、私が彼の口のまわりを
そっと拭ってやりました。するとヴィンセントは急に私の後頭部へ腕を
まわし、唇を重ねてきた。彼の舌が私の舌を探り当て優しく撫でるように
絡んでくる。今まで彼としてきた口づけで一番長く、私達は唇を離しては
また触れさせ、舌は常に離れまいと絡めあった。私が彼の背中に
手をまわすと、ヴィンセントは急に目を開いて、私を押し退けた。
私を一瞥して、それからちょっとバツが悪そうに目を背けてしまった。
彼はまた風景を眺めだしたので、私達は目的地に着くまでの間
黙って過ごした。

お昼前になって漸く馬車がバイブリーに到着した。今回の目的地へ。
ホテルにチェックインするにはまだ早い時間なので、私達は
そのまま小川の橋のそばのカフェに入った。ヴィンセントは
ローストビーフサンドを注文した。私は何も食べないけれど、それでは
おかしいというので、スティルウォーターのグラスは2つ注いだ。
ヴィンセントは黙々と平らげ、その後は川沿いをゆっくり歩きだした。

途中で立ち止まり、彼はぼんやりと、泳いでる鱒を眺めたり、
遠くに架かっている橋の方を眺めたり。しばらくして、その橋に
向かって行き、橋の真ん中で来た道を眺めていた。道中見せなかった
笑顔が微かに戻ってきたようだった。小川を渡ると小さい雑木林になり、
ヴィンセントはそこへ進んでいった。私は追いかけて、林の中で
思わず彼の手を握ってしまった。
「どうしたの」
ヴィンセントが振り返り、無愛想に手を振り払ってまた歩き出した。
私はそれまで後ろから付いて行ってたが、彼の隣に並んで歩いた。
無性にそうしたくなった。


lrg_10017309.jpg


雑木林をすぐ通り抜けると、この地方で採れる石で作られた家並みが
見える。この小さい村の数少ない家並みのひとつで、その佇まいは
中世から続く田舎町の雰囲気をそのまま残している。Arlington Rowと
呼ばれるその家並みを通り過ぎて坂を登る。やや高配がある坂を
登りきっても、なんでもない道が続き、やがて坂を下れば最初に
入ったカフェへ続く道にぶつかった。本当に小さい村だ。
ヴィンセントは何をしにわざわざこの村へ来たのだろう。


bibly03_syukusyou.jpg


こうして村をひと回りするうちにチェックインの時間になったので
私達は蔦の絡まった壁のスワンホテルへ向かった。案内された部屋は
天蓋つきベッドに、薄い色味のタータンチェックのキルトのファブリック。
淡いラベンダー柄の壁紙に合う、サーモンピンクのアームチェア。
ヴィンセントの趣味とは言い難い、その部屋は彼が指定したものだ。
「こちらのお部屋でよかったのですか?」
そう尋ねると、いいんだ、と無造作にネクタイを緩め、彼はどさりと
ベッドに横たわって私を手招いた。

私が傍まで近寄ると、ヴィンセントは腕をまわしてきて口づけた。
彼を組み敷くように私は覆いかぶさり、彼の唇を塞いだ。
舌を絡めたまま、彼のシャツのボタンに手をかけボタンを外した。
しかしヴィンセントは、全てのボタンを外し終わる頃にはそのまま
眠ってしまっていた。朝早くから行動していたので疲れていたのだろうか。
私はまた外してしまったボタンをかけ直し、彼の頬にキスして
薄手のブランケットをかけた。ディナーまでの時間、彼の荷物を出して
整理して寝かせてやった。

ホテルの地階にあるレストランは外観からは分からないほど
大きく開けた造りになっている。食事の必要のない私の分まで
ヴィンセントは予約させたので、仕方なく同席した。
予約した席は、レストランの一番奥の窓際の二人用のテーブルだった。
「君は本当に何も食べないで平気なの?」
ヴィンセントがメニューを眺めながら訊いてきた。
「平気ですよ。それに人間の食料の味など私には分からないから」
「ここで何も食べない訳にもいかないから、なにかひとつでも頼んで
食べなさい。食べる事は出来るんでしょう?」
「出来ますよ。ですから、こちらのサラダだけで結構ですよ」
彼は漸くいつもの調子で話しかけてきては、前菜のサラダを食べ、
グラスで頼んだ辛口の白ワインと共に、このバイブリーで採れたての
鱒のムニエルをおいしそうに口にする。私は、食べるものがなくて
少々居心地が悪かったが、目の前に座っているヴィンセントを
眺めていれば他の視界は気にならなかった。

デザートと食後の飲み物は取らずに私達は部屋に戻った。
ヴィンセントは私にバスタブの湯をはるよう言いつけ、さっさと服を脱ぎ出した。
バスタブの湯が半分までさしかかると、彼は早々に湯に浸かった。
「セバスチャン、来て」
呼ばれて行くと、両肘をバスタブの縁にかけて足を伸ばして待っていた。
「・・・どうされました?お体でも洗って差し上げましょうか?」
ちょっとした冗談でしたが、ヴィンセントは言葉通り、洗ってと言って来たので
私はシャツの袖をまくって石けんを手に取った。うっすらと泡立った手のひらで
ヴィンセントの白い腕から撫でるように触れていった。こうして、彼の体の
隅々まで触るのは初めてだった。ほっそりと無駄のない筋肉のついた身体を
撫で上げ、また最後に彼の背中を下から上につうっと手を這わせる。
ヴィンセントは少し背を反らして短く笑った。彼の横にしゃがみこんでいた私は
彼のあごをつかんで横を向かせて唇を重ねた。

ヴィンセントの白い頬はどんどん薔薇色に上気して、艶かしい苦しそうな吐息を
もらす。私は手を彼の下肢に伸ばして勃ちあがってるものを握り締めた。
「もう、我慢できなくなったか、セバスチャン?」
「そうですね」
「随分、奥ゆかしい悪魔だと思っていたよ」
「イかせていい?」
「ああ・・・、上手いな・・・、いいよもっと弄くって」
唇を重ねながら、ばしゃりと水音をたたせ、彼はさらに短い呼吸で喘いだ。
私の唇をきつく押しあてて吸い込むと、水面に白濁した液が漂った。

ルームサーヴィスで頼んだシャンパンを注ぎ、バスローブ姿のヴィンセントに
手渡して乾杯した。6月の英国の夜はようやく外が薄紫色に変わった頃合いで
窓際でシャンパンを飲むヴィンセントの横顔を、よりいっそう蒼く彩った。
ブルーグレイの髪をさらりとすくって、彼の耳にキスした。ヴィンセントは
また一口シャンパンを口に含むと、それを私に口移しで飲ませてきた。
「悪魔は、酒も飲まないの?」
「酔わないから、必要ないです」
「これは美味しくなかった?」
「貴方の吐息が美味しい」
「悪魔は安上がりだね」
ははっと彼は笑って、シャンパンを飲み干した。それからベッドに腰掛けて、
私を呼んだ。彼の横に座って、しっとりしたうなじを甘噛みした。
バスローブの腰紐を解いて、彼をベッドに沈めるとヴィンセントの眉が歪んだ。

「まだ俺はあげないよ」
「今日の貴方は良いのかと思ったのに」
「もっと俺に傅かなければいけないよ」
そう言うと私の肩を押し上げて上体を起こしたかと思うと今度は私を組み敷いた。
ヴィンセントの吐息はまだシャンパンの香りがして、何度も私達は口づけて
そのうち私のシャツのボタンは全て外されていた。
ヴィンセントの舌が私の胸まで這っていき、ソコをきつく吸い上げられては舌で
転がされた。たまらず声を上げて背中を反らせると、嬉しそうな顔で繰り返し
そこばかり攻められるので私も彼のいきり立ったそれを擦りあげてやった。
ベルトに手をかけられ、せわしくスラックスを脱がされ、私は自分のそれと
ヴィンセントのものを一緒に握って先端を濡らし合わせてやる。
「ああ、たまらないね」
ヴィンセントが私の大腿を広げて、指をねじ込ませてきて私の中を探りだす。
指が増えて、私は彼の首筋を引き寄せて唇を重ねて、舌でヴィンセントの口内を
かき乱してお返しする。

中を解きほぐされ、ヴィンセントのものがグイと入ってきて私は、ああ、ああ、と
声を出して背を反らせると、彼はまた胸の突起を弄くりだして、ますます私を
よがらせた。
「ああ、悪魔のなかは、こんな・・・締めつける」
「・・・私が、貴方を、捕らえたから・・・」
「このまま、ずっと離さない勢いだね、君は」
また唇を重ね合わせて、呼吸を入り乱して私達はもっと苦しくなって、
ヴィンセントはもっともっと奥に突いてきて、どうしようもなく声が漏れた。
私がイきそうになって、彼の名を何度も呼ぶと、ヴィンセントの熱いものが
私の中に流れ込んできて、私もイってしまった。

ヴィンセントがまだ私の中に入ったまま、ビクビクと波打ってるのを感じながら
彼にもう一度くちづけようとすると、蒼い瞳が潤んでいた。
ぽたりと涙粒が私の鎖骨に落ちてきた。

ゆっくりと引き抜かれて、ヴィンセントはそのまま私の横に仰向けに寝そべった。
「どうしたのですか」
指でそっと零れている涙をぬぐった。彼の瞳はぼんやりと天井に向けられたまま。
「最初に会った晩も、貴方は泣いていた」
「・・・泣いていたかな」
「今と同じように」
「ああ、今日は・・・君を付き合わせてしまったからね」
「何をですか?」
「うん、つまらない感傷にさ」
「今日、こちらに来た理由ですか」
ヴィンセントは零れ落ちた涙を拭おうともせず言葉を続けた。
「・・・妻と以前、この日に」
「・・・奥様がいらっしゃるのですか、貴方」
「いた」
「・・・では今はもう」

それで、今日の彼の行動については全て合点が行きましたが。
「ヴィンセント」
私は舌で彼の涙を舐め上げて、そっと口づけた。今日は何度口づけたか分からない、
身体を重ね合わせたのも初めてなのに。
「また、来年のこの日もここに来ましょうか?」
「来年も?・・・そうだな」
「その次の年も、もっと他の場所にも」
「・・・俺と行きたいの?」
「貴方の記憶の場所に全て私を上書きさせるまで」
「なんだ、妬いているのか君は」
「さあ。気に入らないだけです」
ヴィンセントはクスクスと笑って、私の身体に覆い被さってきた。
「君は欲しがりな悪魔だったね」
私の額を撫でて、もう一度くちづけると、上体を起こして私も腕を引っぱられた。

「では、またバスタブに湯をはって?セバスチャン。一緒に入って、
それから君は俺の隣で寝ないと」
「よろしいのですか?」
「まだ記憶の上書き作業は終っていないだろう?」
「そうですね」
私達はまたキスして、バスルームに向かった。


(続く)

→ My sweet years 3

←My sweet years 1

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解説は追記にて


いよいよ、2人の英国旅行記の始まり・・・でしょうか。
思った以上に甘い展開になってしまいましたが(´∀`)
これからしばらく2人の旅にお付き合い下さいませ~♪

| ヴィンセバ小説 | 09:31 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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