倫敦橋からの風景

英国在住の黒執事ファンによるサイト。 英国ならではのコンテンツあります。

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月が満ちるまで(5)最終話

ヴィンセバ連載(R-18)



月が満ちるまで(5) 最終話



2月

「セバスチャン、おいで」
ヴィンセントがめずらしく語気を強めてセバスチャンを睨みつけて呼びつける。
何かまた失礼を働いたのだろうかと、セバスチャンはおそるおそる近付く。
二人の部屋の、アームチェアに腰掛けていたヴィンセントは、近付いた
セバスチャンを目の前に跪かせる。
「舐めて」
ヴィンセントのベルトを緩めスラックスからまだ硬くないそれを取り出して
ゆっくりと筋を舐め上げ始める。舌の動きに合わせてそれがだんだんと
熱く膨らみだすと、短い吐息が聞こえ始める。その吐息からはピリッとした
振動が伝わってくる。股間で小さく動いているセバスチャンの髪の束を
ヴィンセントは両手で鷲掴みし、ぐしゃぐしゃと乱暴に乱していく。
口に含み舐めまわすセバスチャンの喉の奥まで咥えさせて、えずかせ、
息苦しそうな呻き声を互いに漏らす。
「うぅ・・・ッ ああ、出る・・・!」
セバスチャンは喉に溢れ出てくるものを戻しそうになりながら
どうにか喉に流し込んだ。ヴィンセントはまだセバスチャンの髪を掴み、
咥えさせたまま離さなかった。はぁ~、と長く息を吐き、頭をたらして
眼下にいるセバスチャンの頭部をじっと見つめる。
「なんで・・・」
そう言いかけて、また短く強めに息を吐く。
「お前なんだ」
口の中で少しずつ柔らかくなりかけているヴィンセントのものを遠慮がちに
舐め続けていたセバスチャンは、一瞬舌の動きを止めて、押さえ込まれている
頭をぐっと持ち上げて視線をヴィンセントへ向けた。
柔らかな面立ちからは普段見る事のない、きつい目線の主人と目が合ってしまった。
眉をしかめ、形のよい唇をかすかに歪ませて閉じている。
セバスチャンは、そっと頭を動かして咥えているものを離す。
「どうかされましたか?」
明らかに自分を責められている言動に、自分が何をしたのか思い出そうとするが
今日のところは思い当たらない。

ヴィンセントは髪を掴んでいた両手を離し、肘あてに腕をかけ、口を塞ぐように
顎を支えた。またひとつ長いため息をついて、セバスチャンを一瞥する。
何か言いたげで何も言えない紅茶色の瞳がヴィンセントの神経をざらつかせる。
「今日で最後だ、セバスチャン」
「え・・・?」
「もういいだろう」
セバスチャンの腕をつかみ、ベッドへ引っ張っていく。
ヴィンセントの言葉に動揺して力なく連れて行かれ、ベッドに座らせられて
その言葉が酷く胸に突き刺さるのを感じながら、主の瞳をじっと見つめる。
「最後、ですか」
「ああ、そうだよ。だから、ひとつだけ君のおねだりきいてあげる」

おねだり・・・今までしてもらった事のないこと。キスは嫌がられても
してしまおう、そう思ってセバスチャンは考えた。
「では、舐めて下さい、私の」
「それでいいの?」
「はい」
「じゃあ仰向けになって」
言われた通りの姿勢になって、ヴィンセントは手早くベルトを外しスラックスから
セバスチャンのものを取り出して口に含んだ。
先ほどのヴィンセントの様子から、乱暴に扱われてしまわないだろうか・・・と
ほんの少し緊張が走り、内股に力が入ってしまう。
「はは、噛まれるとでも思ったの?」
「!いえ・・・」
見透かされて恥ずかしくなってしまったが、ヴィンセントの舌の動きは
キスする時と同じように優しく包み込むようで、たちまちそれはかたちを変え
ヴィンセントの唇に無遠慮に押しあたっていく。
「ああ・・・ヴィンセント・・・」
最初で最後の愛撫だと思うと、体の反応と裏腹に涙が零れだしてきた。
またこんな顔を見られて冷たい瞳で笑われる事もなくなるのかと思うと
少しでも長くヴィンセントが自分を咥えてくれるように、とシーツをギュッと
握り締めて、イってはいけない、と堪えてみる。でもやはり、この姿を見て
早く笑って欲しいとも思う。そんなセバスチャンの胸中などお構いなしに
ヴィンセントの舌はセバスチャンに絡みつき吸い上げる。
「だめ・・・、出ま・・・す」
それでもヴィンセントは口を離さず舐め続けるのでセバスチャンは喉に向かって
吐き出す。ヴィンセントは一口それを飲み込むと、ずるっと唇を離し
そのままセバスチャンに唇を重ね、残りの液体を飲み込ませる。
ヴィンセントの唾液ごと、舌でくまなく掬い取った。それからヴィンセントの腰に
腕をまわし、ウエストからシャツを捲くり上げその中に手を滑り込ませる。
肩甲骨に手をまわし、くぼみに指を押さえつける。
「そんなに締め付けたら腕伸ばせない」
「・・・してくれるんですか?」
「こんな状態ですぐ戻れないでしょ」
セバスチャンの茂みの上にヴィンセントの硬いものがその存在を示す。
「酷い顔だね」
「すみません・・・」
ふん、と鼻で笑われてまた涙がにじみでる。腕の力を緩めると、ヴィンセントの
指が入ってきた。背中を少し丸めて、そっとヴィンセントのうなじを引き寄せて
キスをする。拒まれず舌が入ってきて、そのうち涙の味がしてきた。
唇を重ねたままヴィンセントが入ってきて、セバスチャンはうなじにまわした手を
離すことなく、腰を浮かして深くそれを受け入れた。
「ん~、これ疲れるから君、上に乗って」
唇が離れ、ヴィンセントはセバスチャンの腕を掴んで持ち上げ、繋がったまま
上体を起こしてやる。目の前に見えるヴィンセントにしばらくの間キスを続け、
ヴィンセントは仰向けに倒れた。セバスチャンは最後の抱擁をヴィンセントに
忘れさせないようにと、腰を何度も深く激しく動かし自分の中でぎゅっと締め付けた。

いつも通りセバスチャンにきれいに舐めさせた後は、差し出された夜着に着替え
枕に頭を沈めて布団を掛けさす。
「さて俺は寝るから、明日もいつも通りの時間に起こしてね」
「・・・かしこまりました」
やはり、この人に何か期待しても無駄な事は分かっていても。結局慣れなかった。
最後だからといって気にしているのは自分だけなのが、むしろ清清しく滑稽に思えた。
愚かで滑稽なのは最初から弁えていても、最中の優しさと激しさでそれを有耶無耶に
させるヴィンセントが本当にずるくてたまらないと、ただもう自嘲するしかなかった。

それからセバスチャンは全く呼ばれなくなった。
未だ寝室は別々でもレイチェルと復活したことは容易に察しがついた。



3月

セバスチャンはここをいつやめようか、そればかり考えていた。
ここにこれ以上いても、ヴィンセント達を見ているのが辛かった。
ただ、この夫婦の子供だけは自分の深く抉られた心の傷を癒してくれるような気がした。
(まぁ子供に罪はありませんし。本当に愛らしい・・・)

レイチェル宛に電話がかかってきた。
「奥様、アンジェリーナ様からお電話なのですが、ぜひ直接お話ししたいそうです」
セバスチャンが取り次ぐと、レイチェルは、それならばと電話のある部屋へ向かった。
「じゃあ、セバスチャン、ちょっとその子を見ていてね」
寝室で改めて子供とふたりきりになった事のないセバスチャンは、コットの中で
あー、うー、と可愛らしい声で喃語を発しながら、足をぱたんぱたんと動かしている
子供をまじまじと観察する。ああ、本当にお二人の子供なのだなと、そっと子供の
指に触れると、小さくぎゅっとセバスチャンの指を握った。

その瞬間、セバスチャンはこの子供を初めて見た時に感じた、もやもやと、血が
ざわめくあの感覚がまた蘇ってきた。子供の瞳をもっと近くまで寄って見つめる。
(ああ、この瞳は。)

電話を終え、戻ってきたレイチェルを笑顔で迎える。
「たいへんご機嫌で、よい子でお母様をお待ちしておりましたよ」
「そう?よかった」
セバスチャンもまた、含んだ笑いでヴィンセントの執務室へ向かって行った。

「旦那様、お話があるのですが」
ヴィンセントは書類に目を通したまま、なあに、と答える。
「突然で申し訳ないのですが、お暇をいただきたく」
その言葉でようやくセバスチャンへ顔を向ける。
「やめたいの?」
「ええ、まぁ。前から考えてはいたのですが。思い出したもので」
「何を?」
「自分自身と言いますか」
今までになくニッコリと笑うセバスチャンを見ても、別段驚きもせずヴィンセントは
ふん、と息を吐く。
「ああそう。いいよ、タナカにはまた代わりをみつけてもらおう」
「ありがとうございます」

セバスチャンは自室に戻り、燕尾服を脱ぎ私服に着替える。
他に荷物は、これといってない。必要もなかった。
支度が整い、再びヴィンセント達がいるサロンへ最後の挨拶をしに向かう。
セバスチャンをみつけたレイチェルが労う。
「まぁ、急にやめてしまうなんてさみしいわ、セバスチャン」
「申し訳ございません。ありがとうございました」
「ご苦労様」
セバスチャンは上体を落として、傍らの揺りかごで眠っている子供の顔を覗く。

「坊ちゃん。また10年後に」

その言葉の意味を解せない夫婦の顔を見て、にっこり笑う。
そしてヴィンセントの頬に口づける。
「ヴィンセント。貴方との時間、楽しかったですよ」

ククク、と嗤ってセバスチャンは去っていった。
それからヴィンセントと会う事は、もちろんなかった。


END




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解説は追記にて


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました~!

今までにないヴィンセバ一方通行お別れENDに本人自ら泣いております(TωT)

まぁセバシエ的ハッピーエンドな訳ですが!

でもやっぱりヴィンセバは、キツイ言葉攻めで愛のある関係がいいですね。。。

またそんな2人のお話書けたらいいと思います★

がんばりまーす!

最後に、今回のお話のテーマソング、Coldplayの「Shiver」より歌詞抜粋。

And it's you I see
But you don't see me
And it's you I hear
So loud and so clear
I sing it loud and clear
And I'll always be waiting for you

So I look in your direction
But you pay me no attention
And you know how much I need you
But you never even see me

君だよ!僕が見てるのは けど君は見てなくて
君だよ!君の声 そればかり聞こえてくる
僕は大声でハッキリと歌う
ずっと君を待ってるよ

君の方を見てるのに
気にもとめてくれないし
どれだけ愛してるか知ってるくせに
君は見てさえもくれない・・・

| ヴィンセバ小説 | 07:30 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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