倫敦橋からの風景

英国在住の黒執事ファンによるサイト。 英国ならではのコンテンツあります。

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今宵は貴方と共に

注意:クロセバ中編です(R-18)




ファントムハイヴ家に見慣れた紋章の封印がされた手紙が届いた。
セバスチャンはそれを一瞥し、主の元へ届けに行った。
「坊ちゃん。トランシー家からこちらを」
執務室にいるシエルに手紙を差し出す。シエルはすぐ開封し文書に目を通す。

『ねえシエル!
とっても面白いものを見せたいんだ!絶対来て!いつでもいいから
家に泊まりにきてほしい。必ずセバスチャンと一緒にね!
アロイス』

シエルはハァーっとため息をついてセバスチャンに伝える。
「またアロイスの奴が泊まりに来いと言ってきた」
「それで、如何なさいますか?」
「お前を必ず連れて来いと言ってる。仕方ないから明後日泊まりに行くと
伝えておいてくれ」
「かしこまりました」

アロイスがこうしてシエルを泊まりに誘うのはいつもの事だったが、
この手紙のように念を押された文章は初めてだった。
いつも執事を連れて行くのは当然なのに改めて言われたのは。
セバスチャン絡みで何か企んでいるのだろう。
「フン。面白いものか・・・」
シエルはニヤリと鼻で笑った。


トランシー家に招かれたシエルとセバスチャンは、早速クロードに迎えられる。
「ようこそいらっしゃいました。どうぞこちらに」
2人をサロンに案内しようとするクロードを遮ってアロイスが駆け寄ってきた。
「シエル!よく来たね!見せたいものがあるんだ、すぐに来て」
シエルの腕を取り、アロイスはくるっとセバスチャンとクロードに向かって
「ねぇ、お前たちは午後のおやつでも一緒に作っててよ!俺はシエルと遊ぶから」
そう言うと、ぐいぐいとシエルの腕を引っ張りながら、サロンではなく
アロイスの自室へ2人は消えていった。

呆気に取られて立ちすくんでいた執事達だったが、確かにもう準備する時間でもあり
2人はそのまま厨房に向かっていった。

アロイスに強引に連れてこられた部屋の中には、すでにハンナが礼をして
シエルたちを待ち構えていた。
「ハンナ!ほら例のもの出してよ!」
ハンナは手に包み持っていた小さな瓶をアロイスたちの前に差し出した。
「なんだ、これは」
透明なとろんとした液体が入っているガラスの小瓶だった。
「こちらは、魔界の媚薬でございます」
「魔界の媚薬?」
「はい。悪魔にしか効かない媚薬でございます」
アロイスが得意げな顔でシエルに説明する。
「俺、ハンナに聞いたんだよ。人間用の媚薬って悪魔にも効くのかって。
そしたらやっぱり魔界のものじゃないとダメだって言うからさー、
クロードに内緒でハンナに取り寄せてもらったんだよ」
「あいつらにこれを使うのか?」
「そう!面白いと思わない?」
シエルとアロイスは含み笑いで合意を確認した。
「それでハンナ、これどうやってあいつらに飲ませられると思うの?
お前達そもそも飲み食いもしないじゃない」
アロイスがジロリとハンナに詰め寄る。
「はい。ですから、こちらは・・・」

午後のティータイムになり、アロイスたちはサロンに向かう。
そこにはそれぞれの執事が競って作り上げた美しいスイーツが並んでいる。
シエルたちは、黙々とそれを味わって、会話もせずスイーツを平らげていった。
喧嘩でもしたのか?とセバスチャンたちは主たちの様子をいぶしがる。
紅茶を飲み干したシエルとアロイスはほぼ同時に立ち上がり、やはり
口をきかないままサロンを出て行った。
これはなにかあったな、とセバスチャンたちは早々に片付け始めた。

サロンを出て廊下で合流した2人だがシエルは客室へ、アロイスは自室に戻っていく。
「ほら、はやく塗って」
アロイスが唇に先ほどの媚薬をひとたらし、指ですりこませていく。
小瓶を渡されたシエルもそれに倣う。
「あいつらどうせすぐ戻ってきてしまう」

読みどおり、主達の様子を心配した執事たちは、早々に片付けを終らせて
それぞれの部屋へ向かっていった。
セバスチャンは、シエルの客室に入って行く。
「坊ちゃん。アロイス様となにかございましたか?」
セバスチャンがシエルに近寄ると、シエルはセバスチャンにぎゅっと抱きついた。
そして踵を上げ、セバスチャンのネクタイを掴み強引に顔を引き寄せ唇を重ねた。
めずらしいシエルからの口づけに心躍ったセバスチャンだったが、シエルたちの
様子は気になる。そっと唇が離れ、再びシエルにたずねる。
「坊ちゃん?」
「いや、別にアロイスとはなんでもない。気にするな。もう落ち着いた・・・」
今の口づけで気分が落ち着けたのなら、とセバスチャンは安心した。
「またアロイスの部屋へ行く。お前も来い」
シエルはあごでセバスチャンをうながし、ふたりはアロイスの部屋へ向かった。

ドアノブに手をかざすと、その前にドアが開きクロードとアロイスが
廊下へ出てきた。
「ああちょうどよかった、今からそっちに向かうところだった。
ねぇ、こっちに来てよ」
アロイスがにっこりと3人を誘導し、別室に連れて行った。
そこは普段、客室には使われていない奥の部屋であった。
不審に思ったクロードがアロイスに確認する。
「旦那様。こちらの部屋で何を」
取り立てて変わった物のない部屋に案内されると、アロイスがそこにある
ベッドにぽんと腰掛けて、
「俺、今日この部屋でシエルと一緒に寝るからさ!お前達この部屋もっと
きれいにしてくれない?」
突然のアロイスの提案に3人は、えっ、と戸惑う。
「な・・!アロイスおまえ・・・」
シエルが言いかけた言葉を遮るように続ける。
「だってさっき、いいって言ったじゃない。今晩は特別だって」
アロイスは右人差し指を自分の唇に当て、悪戯っぽくシエルを見つめる。
シエルもまた計画通りに、仕方なさそうに答える。
「あ・・・ああ。確かに言ったが・・・分かった。仕方ない・・・」
「やった!ねぇ、ちょっと見せたいものあるからサロンに戻ろうか?」
「ああ・・・」
「じゃあお前達、ここもっときれいにしておいてよ?今すぐ始めて!」
なんだかよく分からない展開にすっきりと納得出来ない執事達だったが
主達の決め事に逆らう訳にもいかず、また先ほどの気まずい様子の
ティータイムの件の気がかりが晴れたのならばまぁ良いかと、
2人はその場に残りシエルはまたアロイスに手を引かれ部屋を出て行った。

ドアを閉め廊下に出た2人は、隣の部屋のドアがほんの少し開いているのを
確認し、そっと音を立てないようにその部屋へ忍び入っていった。
その部屋ではまたすぐハンナが待ち構えており、2人が入室したのを確かめ
音を立てずドアを閉めた。

アロイスは小声でシエルにたずねる。
「シエル?うまくセバスチャンの唇に薬をうつせたよね?」
「あ、ああ。お前の方こそばれない様にうまくやったのか?」
「当り前じゃない」
ハンナが、2人を先ほどの部屋の壁に面した大きな鏡の前に案内した。
その鏡は床上50cm位のところから2mほどの高さがある物で、ほぼ一面、
壁状態になっている鏡だった。
「それで、これからどうするんだ」
シエルがその大きな鏡を目で探りながらたずねる。
するとハンナがそれに答えた。
「はい。こちらの鏡は、隣の部屋に飾られた鏡と繋がっております。
この様に見た目にはまったく分かりませんが、こちらから覗くと
隣の部屋を見る事ができます。窓のように」
「え・・・?」
そのような仕掛けの鏡などまだこの世界にはなかったシエル達にはよく分からない。
「でも、向こうからもこちらが見えてしまうんじゃないの?」
「はい、そうですが私が魔力で向こう側からはこちらを覗けないように
施してございます。向こう側からでは、ただの鏡のように反射するだけで
こちらを見る事はできません」
「でも、俺達からはこうして全部見えてしまうんだ・・・」
アロイスたちは恐る恐る鏡をじっと見つめてみる。そこには自分達の姿は
まるで映らず隣の部屋で佇んでいる執事たちの姿が本当に見えた。
そこの執事達は全く見られている事に気付いていない様子だった。

ハンナがそっと二人掛けソファを鏡の前まで移動し、アロイスたちはそこに
腰掛け、隣部屋の様子を見守る。
「ハンナ、もう薬は効くんだよね?」
「はい、もう効果は現れる頃合かと」
「ねぇシエル、どっちが攻めだと思う?」
「は?」
「あの2人さ・・・どっちも攻めに見えるけど、どっちかは受けになるじゃない。
どっちがどっちになるかな?」
「何をおまえは・・・。セバスチャンが攻めだろ?」
シエルは当然のように答える。
「えー、そうかな?クロードの方がガタイがいいじゃない」
「体の大きさは関係ないだろ?」
「あのう、旦那様。薬の効果ですが・・・」


部屋に残されたセバスチャンたちは一通り部屋を見渡している。
しかし、部屋は塵ひとつなく綺麗に整っており、これ以上の掃除は必要のないように
見える。
「アロイス様は急にどうされたのでしょうね?」
セバスチャンがクロードの方を振り返り言葉を切り出す。
「旦那様の気まぐれだろう。いつもの事だ」
中指で眼鏡をくいっと上げて答える。
「気まぐれな主人を持つと苦労されますね」
「苦労とは思わないがな」
「さて、こちらのお部屋、これ以上綺麗にする事もないように思いますが。
どうされますか?」
客として招かれた身ではクロードの指示に従って動かねばならない。
セバスチャンはクロードを見つめてたずねる。
「そうだな・・・。あまりすぐ退室しては旦那様に疑われてしまうだろう。
しばらくはここに留まらねばなるまい」
「そうですね」
2人は互いに見つめあったままその場に立ち尽くしている。
「・・・セバスチャン・ミカエリス」
クロードから言葉がこぼれる。
「はい?」
「あ・・・いや、なんでもない。・・・ただ、その・・・」
クロードの頬にやや赤みがさしている。それを見たセバスチャンも
なにやら自分も息苦しいような、タイを緩めたくなる衝動にかられてきた。
「クロードさん。・・・なにか、少し苦しくないですか・・・?」
「貴殿もか・・・。なにやら暑く感じるのだが・・・」
クロードは無意識にタイピンを外し、タイを緩めだした。
それを見たセバスチャンも、タイを緩め、シャツのボタンを2つはずした。
クロードはセバスチャンのシャツの隙間から見える鎖骨の窪みをじっと見つめた。
セバスチャンは、横髪を耳にかけ、ふうっと息をもらす。
「セバスチャン・ミカエリス」
クロードはスッと眼鏡を胸ポケットにしまい、セバスチャンを抱き寄せた。
クロードの唇がセバスチャンの唇を塞ぐ。
セバスチャンは一瞬目を見開いて驚くが、すぐに目を閉じてクロードの唇を受け入れた。
クロードはセバスチャンの腰にまわした手をぐっと自分に引き寄せ体を密着させる。
セバスチャンは挟まれそうになった両腕をクロードの背中にまわし、自分もまた
クロードを引き寄せた。そのまま2人は互いの長い舌をねっとりと絡み合わせる。
随分長い間お互いの舌を味わって、ようやく静かに唇を離す。
極上のカクテルに酔いしれたような潤んだ紅茶色の瞳と薔薇色の頬のセバスチャンを
クロードは優しく両手で包み込む。

「シエル!ほんとうに効いてるよ媚薬・・・」
「ああ・・・本物なんだな」
筋書き通りにまんまと発情しキスを始めた悪魔達にシエルたちは驚いた。


クロードはセバスチャンの耳にかけた横髪を優しく撫でながらもう片方の手で
器用にセバスチャンのネクタイを緩めてしゅるりと解く。あらわになった
ベストとシャツのボタンを次々と外してゆく。外し終わるとジャケットを
するりと脱がし、ふわっとソファへ放り投げた。
自分もまたジャケットを脱ぎ同じように投げ出した。
それからセバスチャンの右手をとり、クロードはセバスチャンの中指を
手袋のまま先端をぐっと噛み、そのままするりと手袋を抜き取った。
抜き取った手袋は唇から吐き出すようにジャケットと同じ所へ放つ。
それから左手袋も同様に指先から噛んで抜き取り放り出した。

セバスチャンは一連のクロードの動きを黙ってされるがまま見つめていた。
ただ、このまま身を任せてみたいと鼓動が早まるばかりだった。
「クロードさん。私も・・・」
セバスチャンがクロードのベストとシャツのボタンを外していく。
逞しく引き締まった雄らしい躯体を目の当たりにしてセバスチャンは
そっとその腹筋に手を伸ばし、すーっと下から胸にかけて撫でていく。
そのぞくっと来る刺激にクロードはたまらずセバスチャンの腕を取り
ベッドへ押し倒した。

「今日の我々は何かに惑わされているようだ・・・。そう思わないか?」
「そうかもしれませんね。でもそれでも構わない・・・私は」
「セバスチャン・ミカエリス・・・」
クロードはセバスチャンの合意の言葉でさらに湧き上がる衝動のブレーキを
外した。そのままセバスチャンに唇を重ね、己の体重をセバスチャンに被せる。
アロイスと違って自分の体を押し付けていてもしっかり受け止めている体に、
またシエルとその大きさも軽さも何もかも違っている押し付けられた体に、
2人はしばらく味わったことのない感覚を、ほんの少しの戸惑いと共に
体中で感じて受け入れた。

「・・・ホントだ。ハンナの言うとおりだね。クロードが攻めてるじゃん」
「・・・セバスチャンがあんな顔するなんて」
あのセバスチャンが頬を染めて潤んだ瞳でクロードを見つめるなど、
まったく薬の力でもなければ見た事もない姿だ。自分にはあんな顔などしない・・・。
シエルは複雑な思いになるが、2人を引き離そうというよりは、このまま
続きを見守りたい好奇心の方が勝ってしまった。
ハンナが持ち出したこの媚薬は、本来の性質の隠された部分をより引き出すらしい。
その結果、セバスチャンがクロードを受け入れる姿になったらしい。

クロードは組み敷いたセバスチャンのなめらかな肌を胸から腹へと
撫で回すように這わしていき、ベルトに手をかける。手馴れた動作で
セバスチャンのスラックスを足元の方へずらし下ろしていく。
シエルと違う大きな手の感触にセバスチャンは慣れない刺激を享受する。
おかげでめったに出さない甘い声色の吐息がもれてしまった。
クロードはセバスチャンのシャツをはだけ、硬くなった桃色の突起を
赤い舌で舐めまわし、唇できゅっと吸い込む。セバスチャンは上体を
ビクンと軽く反らして「あっ・・・」と声を立てる。
その声に興奮したクロードは手をセバスチャンの下肢に伸ばし、
すでに硬く大きくなったセバスチャンのものを握り、擦りだす。
「ああ・・・っ!クロードさん・・・っ」
クロードは今度はそれを咥え、一気に喉の奥までそれを捕らえる。
悪魔の口淫ならではの、いきなりの激しい責めたてにセバスチャンは
早くも絶頂を迎えそうになり、シーツをぐしゃっと握って耐えている。
「まだいくな・・・」
クロードはいったん口を離しそう言うと、セバスチャンの中へ指を
滑り込ましていく。姿かたちは人間と同じでも、ここは人間と違って
解れ方が早く、指を1本2本とスムーズに増やしてセバスチャンの中に挿れる。
「う・・・そんなに・・・すぐ入れないでも・・・」
セバスチャンは秘部を指で押される度に腰を淫らに動かして反応する。
「・・・そんな事言っても私の指はどんどん絡めとられている。
なんて淫らな体をしている。・・・セバスチャン・・・」
「ああ・・・私の名前だけを呼んで下さるのですね・・・、クロード・・・」
初めて、この状況で名前だけの呼び合いに2人は新鮮な喜びを見出し
さらに乱れていく。
「・・・挿れるぞ、セバスチャン」
いつも交じり合う小さな主と違った成熟した大人のサイズと
クロードのものを全てすんなりと受け入れ締め付けるセバスチャンの中に、
激しく突きあってもしっかりと体を繋ぎ合わせられる新たな快感に
2人は主たちに聞かせることのない悦びの声あげ、互いに精を放した。

「なんか・・・凄いな・・・」
固唾を呑んで悪魔達の行為を見続けていたアロイスは、隣に座っている
シエルの太腿に手を伸ばし、すっと撫でてきた。
「おい・・・!離せ!」
シエルは即座にアロイスの手を跳ね除けた。2人の行為に反応した自身を
アロイスに見られたくなかった。いくら興奮しても、アロイスとは
その気にはなれない。アロイスは、残念そうに手を戻す。
いったん絶頂を迎えた悪魔達だったが、また間もなく第2回戦が
始まったようだった。今度は、セバスチャンがクロードを咥え始めた。
シエル達は引き続き、悪魔同士の激しい行為を見続けた。


「ねえ、どうする?あれ・・・」
2回目のフィニッシュを迎えたセバスチャンたちは、互いに付着した
白濁した液をくまなく舐めとりきれいにすると、クロードは
セバスチャンを腕枕して寄り添うように横になった。
「気持ち悪いが、どうせ媚薬が切れたら慌てて戻るだろう」
ところが見ているとどうやらそのまま眠ってしまったらしい2人は
横たわったまま動かなくなった。
ハンナによると、副作用で眠くなってしまうらしい。
それならば仕方ないと、シエル達は音を立てないように退室し、
おとなしくそれぞれの部屋で朝を迎えることにした。


しばらくして夜明けになり小鳥達のさえずりが聞こえはじめた頃、
セバスチャンたちは起き上がった。
「私たち・・・!」
「うむ・・・、私は・・・貴殿をこれからも所望する」
「クロードさん、それはつまり・・・」
「昨晩の事はハンナが与えたきっかけにすぎない。私はこうなる機会を待っていた」
「ではやはり貴方も分かっててそれを?」
「ああ。貴殿や私ごときがあの程度の媚薬で惑わされるわけがない。
もう貴殿と最初に口づけを交わした頃には効果は薄れ去っていた。
・・・だが、きっかけを利用するにはもってこいだ。
そうだろう、セバスチャン・ミカエリス?」
「ええ。貴方が媚薬の効果が薄れてもなお私の服を脱がせるのをみて
貴方の心の内をかんじました。ですから、私もそれに乗っかったわけで・・・」
「私にすがる貴殿はたいへん美しかった」
「私も逞しいクロードさんに抱かれて我を忘れました・・・」
「貴殿は鏡についても当然気付いていたのだろう?」
「もちろんですよ。ですが、坊ちゃん達に分かって頂く最良の手段ですし、
なにより興奮いたします。そもそも坊ちゃん達が仕向けた悪戯でしたしね」
「ならば、互いの気持ちはひとつ」
「ええ、私もそのつもりです」


朝食の準備をする時間となり、セバスチャンたちは身支度を整え厨房に向かう。
夜更かしをしてなかなか目覚めない主たちを起こし、ダイニングに誘導する。
いつも通りの態度に戻っている執事達をみて、シエル達も何事もなかったかの様に
朝食を取った。その後、アロイスはシエルをサロンへ連れて行った。
「まぁでも面白いもの見れたよね、シエル!」
「そうだな・・・」
自分との行為の最中に見た事のないセバスチャンの嬌態を目の当たりして
いささか納得できないシエルだったが、媚薬のせいだと思えば、とモヤモヤする
心を静めようとした。アロイスは、純粋に楽しんでるように見える。
お前はいいよな、とシエルは胸中で毒つく。

間もなく片付けを済ました執事達がサロンへ入ってきた。
すると執事達は神妙な面持ちでシエルたちが座るソファの前で立ち並んだ。
まずクロードが切り出した。
「旦那様。お許し願いたい事がございます」
「坊ちゃん。わたくしもです」
媚薬の事がばれた・・・わけでないのか?と、何を願いたいのか分からず
アロイスたちは執事達の言葉を待った。
「なんなの?」

クロードはキッと顔をアロイスに向け、言い出した。
「実は、セバスチャン・ミカエリスとの交際を認めて戴きたいのです」
「はァ!?」
予想もしなかった願いにアロイスたちは目を見開いて驚いた。
「坊ちゃん、お願いします。クロードさんとの仲を認めてください」
セバスチャンからも言い出された。
「何を言ってるの、お前たち!」
アロイスが怒声をあげても執事たちは言葉を続ける。
「旦那様が仕組まれた事は存じ上げております。むしろ、絶好の機会を
与えて下さって感謝の気持ちでいっぱいなのです」
「な・・・!お前達分かってて・・・」
媚薬の事がばれていてシエル達は即座に決断を下せなくなった。
「それでも互いを求める気持ちを抑えることが出来ませんでした、坊ちゃん」
「そんな事言って、お前!僕との契約はどうなるんだ!?」
「契約はそのまま有効ですよ。坊ちゃんへの気持ちも変わりません。
ですが、クロードさんへの気持ちも認めて欲しいのです」
セバスチャンにきっぱり言われてシエルは眉をしかめ言葉が出てこない。
ここは悪魔達の願いを尊重すべきなのか、かたくなに断るべきなのか。
しかし、断ったところでこの悪魔達が自分達の目をかすめて逢引きするのは
容易なことだろうと察する。自分に黙ってそんな事されるよりは・・・。
シエルは同じように返答に迷っているアロイスの目を見て頷いた。

「分かった。お前達の交際を認める。僕達に対する尊重がこれからも
変わらないと誓えるのならば。どうせお前たちに何を言っても僕たちは無力だ、
なあ、アロイス。それで構わないだろう?」アロイスもそれに同意して頷いた。
許しの言葉をきいて執事達の顔が一斉に晴れやかになったのを見て、
シエルは諦めに似た心境になった。
「僕達の知らない所でコソコソやられても胸くそ悪いだけだからな」
「坊ちゃん!ありがとうございます」
「旦那様。ありがたきお言葉」

「ただし、僕たちを裏切るな。それは絶対だ。分かったな?」
セバスチャンとクロードはそれぞれの主の前に跪く。
「イエス、マイ・ロード」
「イエス、ユア・ハイネス」

「なんだよ、俺達の悪戯って結局縁結びだったわけ!笑わせるよな!」
アロイスは失笑し、シエルもため息もつく。
しかし、新たな喜びに満ちたセバスチャン達の顔を見て、
悪魔であるクロードには、人外のせいか、それ程嫉妬心も芽生えないようだった。
激しい行為に別次元のものを感じ取ったせいだろうか。
にぎやかになるのも悪くない、と、肯定的に考え始めたシエルだった。


そうしてファントムハイヴ家とトランシー家は、毎週末になると
互いの屋敷に泊まりあう関係となりましたとさ。



おしまい!


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